発売日に手に入れ、ずっと聴いてました。では感想などを。
1 al fine
やはりこの始まり方は安心感があります。前作After Edenのあまりに明るい出だしに驚きすぎて、ほんとにKalafinaのアルバムなのかCDジャケットを2度見するほどの経験はもう不要でした。幻想的です。
2 consolation
と思っていたら、この曲で度肝を抜かれました。Kalafinaってロックバンドでしたっけ?しかもプログレ方面の。複雑な曲展開とザクザクした荒々しさ。まさかのフィメールメタルブームに乗った訳ではないと思いますが、もともとメタル系の素養がある私には良い方向での衝撃を与えてくれました。ライブで聴きたいけど、この音の厚みを出すのは大変ですね。しかも展開が難しくてライブでいまいち乗りきれない自分の姿が目に浮かびます。
3 moonfesta~ムーンフェスタ~
そしてconsolationからのあまりの曲調の違いに再び衝撃が。この曲順は狙ってのものですかね?知らないひとが聴いたら同じアーティストの作品と気づかないじゃないかと心配する曲達です。
4 Door
染み入る~。「土曜日の~」で始まるKeikoパートでは早くも涙が込み上げてきました。Keikoはミディアムテンポの曲が合うわー。勢い上等、ロック系の曲でもKeikoの声は欠かせないんですが。
5 未来
エンドロールが流れているときに聴きたい曲ベストテンがあったら間違いなくランクインすると勝手に思っている曲です。なんか前向きになれる曲。
6 花束
Kalafinaの定番と言える曲では。
7 signal
そしてまた激烈曲へ。熱い。先のconsolationに始まる組曲の第2部と私は位置付けています。ライブでWakanaが生声コーラスしてくれたらもう何も要りませんって感じ。
8 obbligato
勝手に決めたconsolation組曲の第3部です。曲順的にsignalと連続にせず、もっとアルバムの後ろに持っていってもらった方がより引き立ちそう。ロック調の曲はHikaruリードのイメージがありますが、この曲はWakanaリードがとても心地よいです。
9 木苺の茂みに
70年代後半の歌謡曲にも聴こえる不思議な曲。上がりっぱなしのテンションを落ち着かせてくれます。
10 満天
11 to the beginning
12 ひかりふる
怒濤のシングル収録曲連発です。13曲中5曲がシングル収録曲というのはやや多いですね。それとは矛盾しますが、「屋根の向こうに」が収録されないのは、法則通りとはいえ残念。
13 夢の大地
続symphoniaの感じあり。広がりがある情景が目に浮かんでくる曲。PVもイメージがぴったり。でも衣装がちょっと地味すぎるかな。
《総評》
事あるごとに「原点回帰」とメンバー、梶浦さんが言っていますが、それはアルバムの始まり方だけで、実際はまったく新しい方向性を見せつけてくれた作品でした。
かなり激しく、そして音を歪ませた感じの曲が複数入っていますが、それらの曲はKalafina本来のコーラスワークの良さが表に出てきにくいという難しい面もあります。その点からして、リスナーを選んでしまうかもしれません。しかしながら私としては、ConsolationがKalafinaの代表作のひとつになりうるアルバムと思いました。
4月のスペシャルライブ、およびその後のライブツアーが非常に楽しみです。
ただ、アルバムを通して気になったのは、新曲においてボーカルの明瞭感が乏しい気がする点です。バックの演奏が強すぎて、なにかロックバンドのアルバムを聴いているようです。FBMさんが素晴らしいのは異論の余地なしですが、Kalafinaに関しては、あくまで主役はボーカルで。Wakanaの声がよく聴こえない箇所もあり、そこは不満。
とはいえ、このアルバムでさらに飛躍して欲しいと思いながら、また1曲目から聴いています。
今日のおすすめの1曲 consolation / Kalafina